WORKS

Inverse Sights

2025.05.04 HAE, 平瀬ミキ

ここにある言葉にならない言葉のような心の声は、外からのあかりで照らされ、反射した姿を私たちが間接

的に見ることで、わずかながらに想像できるのみです。ポジティブなのかネガティブなのかすら判然としないも

のを、私たちはただ眺めるに留まります。これは殆どの患者と周囲の関係に言えることかもしれません。

光の反射で浮かび上がるトートロジー的に反復展開される言葉は、アーティストが乳がん治療中に繰り返し

向き合ってきた言葉たちです。「ぱいぱいばいばい」という子育ての離乳時の言葉が「ばいばいぱいぱい」と逆

転することで、新たな意味を持ちます。