WORKS

民主的工藝

2022.04.22 HAE

益子

DAISO

手塚治虫の代表作「火の鳥」では、火の鳥の手に掛かったものに永遠の命が与えられてしまう。たとえ肉体が滅び、念だけの存在になろうとも。私たちの寿命が尽きた未来で、NFTは「火の鳥」になり得るだろうか。

日常の生活道具だった民藝の器は100年を経て、庶民が気軽に買える価格から遠ざかった。
時代に伴って価値を判断してきた古美術・骨董の世界では、物に作為を加えることはタブーとされているが、私たちは敢えて骨董の益子焼にチップを埋め込み、金銭的な価値を解体すると同時に、器の情報をNFTとして記録した。
一方、現代最も民主的な価格だったダイソーの器にも同様の作為を加え、NFTによって唯一性を刻み込む。
100年後、これらの器はどのように価値を比較されるだろうか。