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Cancer in the Dark

2025.05.04 HAE, 髙﨑太介(e/s Production)

がんは突然発見されることもあれば、疑いを持ち精密検査によって発見されることもあります。福原の乳がんは「あなたは乳がんではない」と、とある病院で診断された後に、別の医院で発見されました。

なぜそのようなことが起こったのか。理由の一つとして、エコー検査を流れ作業のように行い飛ばし読みするように診るのと、疑いを持って撮影するのとでは、撮影方法や枚数に差が出るためです。一度がんが発見されてからの精密検査は膨大な撮影枚数となり入念であったことが窺えます。

私たちは、「がん」と診断されていない人でもほぼ等しくがん細胞を体内に生み出していますが、「がん患者」になるかは診断によって決まります。私たちはこの、認識の差異によって、がん患者が生まれる可能性に着目しました。状況によって大きく異なるエコー写真の枚数の差から、私たちの認識の危うさを感じることになります。