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Mineral Lava

2024.03.05 HAE, 佐々木恵介, 雫達明

 

高度に産業が発達している現代において、身の回りの金属はほぼ全て工業化されている。

世界でもっとも早く産業革命を起こした英国では、製鉄は象徴的な存在であり、現代の我々が口にする「金属」とは殆ど工業製品を指すだろう。

一方で、人類と金属の関係は数千年前から確認されており、自然界からの産物だった金属は原始的な方法で取り出されている。

紀元前3000年頃のシュメール文明では、イラン高原から得た銅鉱石に錫が同時に含まれ、純銅より硬質で実用的な合金、青銅をそのまま自然に得ていたようだ。

我々は、森羅万象から手に入れる金属に思いを巡らせながら、人間と金属を原初的な関係に引き戻すため、溶けた精銅をそのまま気温で冷却し、人為的にコントロールされない表情を待った。

凝固した精銅は、電流や信号を媒介するコンセントやスイッチのプレートの姿で我々の日常空間に出現する。

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